「建設業の会社って、こんなに楽しいの!?」
大型重機を200台以上所有する建設会社でありながら、”建設業界のイメージを変えたい!”と、ユニークな福利厚生施策を展開している会社があります。その名は、株式会社宮本組。社員の健康や家族の笑顔、地域とのつながりまで、アイデアを次々と実現し続ける同社の取り組みについてお話を伺いました。
【株式会社宮本組】
1951年創業、大型重機を用いた道路やダムなどの土木工事、建築工事を手掛ける総合建設会社。日本各地に実績を有し、重機の自社保有台数は200台以上。2017年から毎年「健康経営優良法人」認定を受けるなど、働きやすい環境の整備に注力している。「#社員が面白がることやってみた」をテーマにしたユニークな福利厚生施策が業界内外から注目を集めている。
ユニークな福利厚生を始めたきっかけと企業風土
宮本組が本格的に福利厚生の充実に取り組み始めたのは、「健康経営優良法人認定制度」取得認定へ向けて活動スタートした2017年頃からです。当時、建設業界は「肉体労働がきつい」というイメージが一般的でした。そんな中で、「健康経営優良法人」に選ばれるような職場環境を実現できたら素晴らしいのではないか、という想いから、この目標に向けた取り組みが始まりました。
※「健康経営優良法人制度」とは?
「健康経営優良法人」とは、経済産業省が認定する「健康経営優良法人制度」の中で、大企業部門の優良な企業の称号。健康経営に積極的に取り組み、従業員の健康管理や働きやすい環境づくりに力を入れている企業が選ばれる。
宮本組には、以前から新しいことに積極的に挑戦する風土が根付いています。たとえば、2000年にISO9001を取得しましたが、同規模の企業としては先駆けとなるものでした。このISO認定継続の取り組みを通じて、福利厚生を強化する土壌が整ったという一面もあります。
社員も家族もハッピーに、ユニークな施策が次々と誕生
まずは毎年の健康診断や人間ドックの費用補助といった、社員の健康をサポートする取り組みや、「珈琲の淹れ方講座」「スマホフォトレッスン」などコミュニケーションの場づくりとなる施策からスタートしました。その後は社員の家族にも焦点を当て、社員の奥様の誕生日に花束を贈る「バースデーフラワーギフト」や、最近では線虫がん検査キットをペアで各家庭に配布する取り組みも行っています。小学校への出前授業や市民参加型マラソン大会への協賛など、次世代の育成や地域貢献活動にも積極的に関わっています。
また、夏と冬には現場にキッチンカーが出動するイベントも恒例となっていて、夏は熱中症対策としてかき氷、冬は地元のB級グルメ「姫路おでん」を現場スタッフに無償で振る舞っています。被災地の復旧工事では他社の現場にもキッチンカーを派遣し、差し入れを行ったこともありました。
斬新なアイデアはトップダウン!「福利厚生の充実も利益還元の一環」
これらの福利厚生の多くは、実は経営陣からのアイデアによるものです。経営陣から「予算を気にせず実現してほしい」と言われているので、我々はアイデアを具体的な形にし、どれだけ盛り上げられるかに注力しています。
福利厚生に予算を回せる背景には、健全な経営基盤があります。当社は毎年安定した利益を上げており、先日も姫路税務署から優良申告法人の表敬表彰を受けました。この表彰を受けることができるのは、全国の企業の中でも1%未満です。利益は夏と冬の賞与や決算賞与として社員に還元していますが、加えて経営陣の「福利厚生の充実も還元の一環」との考えが、社員のための多様な施策の実現を後押ししてくれています。
※福利厚生施設『FORESTA』は、同僚・家族・友人楽しめるグランピング施設です。
導入後の社内の変化、社員の反応は?
社内広報はグループウェアを使用しています。ただ、最近は社員も会社の公式SNSから情報を得ることが多いようです。SNSに投稿する情報や素材を集めるために、各部署と連携する機会は圧倒的に増えました。はじめは戸惑っていた社員もいたようですが、高級車レンタル制度が全国ネットのバラエティー番組で紹介されたこともあり、「うちの会社、なんだかすごいことをやってるな」と、少しずつ意識が変化してきているように感じています。実際の社員の声も、以下に紹介しておきます。
「毎年、高級車レンタル制度を利用しています。趣味のドライブを存分に楽しむことができ、彼女も喜んでいます。会社が建設業という枠を超えて、ユニークな取り組みをしていることは面白いですね。定期的に希望を募るアンケートも実施されていますが、現在の制度で十分満足しています(笑)」
「先日、会社の福利厚生施設『FORESTA』を友人と一緒に利用しました。本当に素晴らしかったです。窯風呂やサウナ、シミュレーションゴルフにカラオケなど、思いつく限りのレジャーが無料で楽しめて、最高のひと時を過ごせました。同時に、こんなに素晴らしい取り組みをしている会社ってすごいな!と、誇らしい気持ちになりました。自分も思わずSNSで『うちの会社はこんなことをやっているんだよ!』と、自慢したくなるような体験でした」
関わるすべての人がしあわせであるために、業界の人材育成にも貢献
宮本組は従来から「建設業のイメージを変えたい」との思いから、建設業界全体の底上げに焦点を当てています。たとえば【一般財団法人けんせつ女子応援財団】の設立もその一環。自社に人材を集める目的ではなく、「建設業界を支える人材を育てたい」という理念に基づき、返済不要の給付型奨学金制度を創設しました。毎年、定員を上回る応募が寄せられ、反響を呼んでいます。
※自社では入社から5年間、奨学金返済を会社が支援する【奨学金代理返還制度】があります。
宮本組の願いは、関わるすべての人が幸せであること。社員が定年退職を迎えた際、家族から「宮本組に入ってよかったね」と言葉をかけてもらえるような会社であり続けたいと思っています。「建設業という枠に収まらず自分らしく活躍したい」「大好きな建設の仕事を、長く楽しく続けていきたい」と思う方は、ぜひお気軽に会社見学へお越しくださいね。
【お話を伺った人】
本店人事総務課
岡田 明浩 担当課長(勤続17年)