2025年4月に、代表取締役社長に就任した、川勝聡氏。
大学卒業後日立システムアンドサービス(現:日立ソリューションズ)に入社し、SEとして主に証券系システムの開発に従事。2014年に創業者である父親が経営するティーエーシーホールディングス株式会社に転職。
より市場理解を深め、企業として次の打ち手を模索するために営業部門を担当し、その後常務取締役を経て代表取締役社長に就任した。
新社長就任を機に、次代に向けてさらなる進化を目指すティーエーシーホールディングスグループが描く未来、そしてその未来を実現するための取り組みを、少し掘り下げて訊いてみた。
<ティーエーシーホールディングスグループとは?>
1999年に株式会社テクノアクセスコミュニケーションとして設立。数社との経営統合を経て、2013年に株式会社ティーエーシーホールディングスとして始動。4つの事業会社で情報システム関連の事業を推進している。 大手自動車メーカー、電力・交通など社会インフラ、医薬品業界などの業務システムを中心に、システム開発から運用・保守まで手掛けノウハウを蓄積。さらなる飛躍、そして社会への貢献のため、常に新しい技術への挑戦と、人財の育成、社内環境の改善に努め続け、時代の変化に対応できるイノベータグループを目指す。
「何ができるか」よりも「何をしてきたか」
私自身は、実は当初はエンジニアを目指していたわけでもなく、大学も文系専攻でした。学生時代はスノーボードに熱中しており、地区の大会に出場するなど目標を持って活動していました。冬は日本の雪山、夏は南半球の国で練習に打ち込むなど多くの時間をスノーボードに費やし、全力を尽くした自負はあります。
この何かに打ち込んだ!という経験は自分にとって大きな財産となっており、新人採用においても注目ポイントにしています。
実際、社長に就任する数年前から採用の場面に立ち会ってきましたが、学生の間でしかできない経験…クラブ活動やアルバイト、趣味や遊びの中で何を目標として、その目標に対して何をしてきたのか…例えそれが「失敗談」であっても、チャレンジしてきた経験や、楽しむための工夫、周りと喜び合った体験などをイキイキと話してくれた人は、入社後もキラリと光る存在として活躍してくれています。
日進月歩のIT業界において企業として成長していくためにも、「学生の本分」である学びの場面以外で、何かにチャレンジし、全力で打ち込んだ経験のある人を積極的に採用し、次代の足場固めをしたいと考えています。
“人手”としてではなく“次代を任せる人財”として
これまでお客様との信頼関係を築き、多くの現場で当グループのエンジニアが活躍しています。
長年築き上げてきた信頼関係を継続していくことは大前提にありますが、企業としてさらなる成長を目指すためには新たな領域・分野へのチャレンジは必要不可欠です。そのためにも、次代を担う新卒社員は、育成環境が整っている当社の注力分野・成長分野の案件へ配属するようにしています。
導入教育においても、3ヶ月間、しっかりと社会人としての基礎や開発言語であるJavaを習得していただきます。
配属後は先輩社員のもとでOJT(実地トレーニング)を実施しますので、基礎教育から実践まで安心して経験を積める環境を備えています。
「電力・交通・医薬・自動車領域」これら生活に密着した分野のさらなる発展に、より広く貢献していくためにも、その主力となるエンジニアへと育成し、事業成長を確かなものにしていきたいと思います。
“1+1を超える価値を生む”会社とは?
TACグループは創業から25年以上になりますが、当社のエンジニアは、お取引先に常駐しての勤務形態が多いです。そのような環境下で顧客満足度の向上、そして社員にもっと利益還元していくためには、お客様へ高付加価値なサービスを提供できる体制づくりが必要だと考えています。そのためには、個人の能力に依存せず、チームで業務に取り組むことが重要であると考えています。スポーツの世界でもスター選手が多く在籍している強いチームに対して、標準的な力でありながらも組織力の高いチームが最終的に勝利することはよくあることです。TACグループも、1+1=2といった社員の数だけ価値を創造するのではなく、1+1が3にも5にもなる可能性を持った、強い組織力のある企業でありたいと考えています。また新入社員教育だけではなく、各自のキャリアアップ支援として、資格や技術習得に向けたバックアップや、業務に必要なスキル習得に向けた書籍の購入費用の負担など学ぶ意欲の高い人をしっかりとサポートしています。
さらに半期に一度、目標管理面談を行っています。この目標管理面談は、上長と相談しながら自身で立てた目標に対して、「何ができて」「何ができなかったのか」といった振り返りを実施します。この自身がコミットした目標を振り返ることで、「できた」ことに対する達成感を得ることができ、また「できなかった」ことに対する課題が何であるかを明確にすることで社員のキャリアアップをサポートしています。また目標管理面談制度と併せて、社員の成長をきちんと評価し、昇給に反映させる「ジョブグレード制」を今年度より本格導入しました。この評価制度を本格導入する前には2年間の試行期間を設けており、若手社員からも「自己成長がリアルに給与に反映される」「さらなるスキルアップへの意欲に繋がった」と好評を得ています。この好循環が常態化させていくことで、自ずと会社としても成長していくことができると考えております。
社員の声が、会社を創っていく。
単に社員のスキル向上をサポートするだけではなく、ワークライフバランスの充実にも注力しています。
年間休日は122日以上確保し、有休休暇も初年度15日、2年目以降は年度初めに20日を付与しています。また残業を極力減らせるよう、上長によるスケジューリングおよび稼働状況を管理することで、月の平均残業時間も14時間以下を実現しています。(2024年度)。
こうした会社としての取り組みに、もっと若手の声を反映していくためにも『声を上げる機会』を設けています。
そのひとつが、入社4年目までの若手で構成している『TAC Jrの会』。社内イベントの企画をはじめ、若手が主体となって社内の活性化に取り組んでします。また社会貢献活動の一環として、障がい者スキー(ノルディック)のオフィシャルスポンサー企業をさせていただいているご縁もあり、長野県・白馬へチーム応援ツアーなども開催しています。また普段と違う環境に身を置くことで、日頃から社員が感じている本音をそれぞれ出し合い、その声を経営陣が吸い上げて会社づくりに活かす活動もしています。
最後に…
「未来ある社会づくりに貢献する」というテーマを掲げ、事業活動や障がい者スキーのオフィシャルスポンサーとしての社会貢献活動、そして次世代育成に努める当社。
「大切な人に誇れるプロ集団」の一人として、物心両面で満足できるエンジニア人生を送ってもらえるよう、今後も立ち止まらず常にイノベーションに取り組んでいきたいと思います