2006年の創業以来、Webシステム開発を主軸とするITアーキテクト集団として着実に成長を続けている私たち。
同社を起業した中西俊光代表はもちろん、現在在籍する社員全員が開発者という、圧倒的技術力を持つことを武器に、これまで黒字経営を継続しています。
創業20年目を迎えて今後、さらなる飛躍を見据えた新たな開発者・技術屋の育成に関して、独自の考えやノウハウなどについて中西代表に語っていただきました。
【「技術に対する圧倒的自信と実績」が創業以来、黒字経営を維持できる理由】
私を含めて全社員が開発者という方針を創業以来、一貫して堅持しています。
特にWebシステム開発において高い技術力と発揮することで、お客様に対して最適なソリューションを企画提案~設計開発~導入後の運用支援まで一貫して提供。
お客様から依頼された仕事を完璧にこなすことに対して、同業他社よりもはるかに高い熱量とプロ意識を持ってこだわり、必ずやりきることで目に見える実績を積み重ねてきました。
一例として創業間もない当時、他社がことごとく失敗していた「IP電話連携システム開発」を当社が培ったノウハウを活用して、画期的な新機能を実装したことによって成功に導いたことが挙げられます。
この特殊な技術を使えるのは、国内に2~3社ほどしかないため、その後も様々なサイト開発~運用までを一括で任せてもらえるようになったり、ほかの顧客をご紹介いただくことによって営業メンバーがいなくても、順調に直接取引する顧客を増やしています。
またコロナ禍の時には、ある大手顧客から難易度の高いシステム開発案件に関して、同業他社に次々と断れられた結果、たまたま当社にオーダーが寄せられたことも。
正直、その時点で実現できるかどうか確信はなかったのですが、4か月間で一切の不具合を出すことなく無事、リリースできました。ちなみに顧客からは「1件も不具合が出ないなんであり得ない」と大いに驚かれました。
その結果、現在わずか社員12名の規模ながら、社員数千人規模/大手上場企業に当社が開発したWebシステムが導入されています。
正直、この規模の開発会社がこれだけ大規模な規模のシステムを「自社内でワンストップ開発」しているケースはほぼありません。
それができるのは、やはり「プロの技術屋集団」だから。
ちなみに当社が持つ特許技術は現在14件あり、この数も異例です。
【キーワードは「日本語力」と「当事者意識」。技術屋育成に対する基本的な考え方とは?】
当社では創業以来、一貫して専門学校生の新卒採用にこだわって継続しています。
正直、四大卒と比べればプログラミングをはじめとした基礎スキルが高くないのですが、逆にこの業界に少しでも興味があり、なおかつまっさらで吸収力のある若手をゼロからじっくり育成するには専門学校生が最も適していると考えているのが、その理由。
実際、当社の採用面接ではプログラミングスキルといった技術力は一切見ることはなく、当社に興味を持つなど、その人の「パーソナリティ」「当社との相性」のみを見て採用しています。
入社後の教育で特に重視しているのは、プログラミング技術を教える以上に「日本語力と当事者意識を高めること」にあります。
例えば何か課題を与えてその課題ができなかったとき、「できなかった」「やれなかった」という言い訳をする新入社員が多くいます。
しかしそうではなく、「やらなかった」のが本当の理由。
また「このコードはどういう理由でこのように書いたの?」と聞くと正解を答えようとするあまり、その理由を明確に説明できないことがほとんどだったりします。
そこには「もし正解を答えれなかったら不安」、という自己防衛思考が無意識に生まれていることが大きな要因として考えられます。
そこで研修期間中では特に「なぜそのコードを書いたのか?」という問いに対して、自分なりの理由や意見を日ごろから聞き出す訓練を重点的に行っています。
コードを書く上で最も重要なのは、「誰が見てもわかること」であり、そのためには適切な日本語を使って自らその理由を考え、わかりやすく説明できることが実際の開発現場や顧客に対する説明においても求められます。
私たちは「Javaが使えます」といった表面的なスキルではなく、その背景にある「根っこの技術力や人間力」を育成することこそ、「プロの技術屋」としてこの先、長く現場の第一線で活躍できて、多くの顧客から絶大な信頼を得られると考えています。
【「東京のおとっちゃん」として、できる限り時間と労力を割いて根気強く教える】
これまでご紹介してきたように、私たちは単なる開発エンジニアではなく、「プロの技術屋」を育てることを最重視しています。
だから入社後の教育においては、よくある外部の研修やeラーニングなどには一切頼らず、半年~1年かけて「完全自社内教育」を徹底して行います。
入社後の1か月間は「何がわからないかもわからない」という新入社員に対して、ほぼ私がつきっきりで技術屋としての基本的な考え方や目指す道を教えます。
その後プログラミングの指導を通じておおよそ3か月を目安に、一通りできるように。
さらに入社半年がたてば、2つの言語を使えるようになるとともに、「なぜこのコードを書いたのか?」を自分なりに考え、誰にでもわかりやすく説明できるようになれます。
さらにその後、よりわかりやすいコードを書くためのアイデアを考えて実践することで、常に自分の仕事に対して興味や疑問を持つくせをつけて、自ら継続的にスキルアップできる力を育てていきます。
研修期間中は状況に応じて懇切丁寧に対応し、状況によっては自分の仕事を完全にストップすることもあります。
また研修終了後にお客様先に常駐して仕事をするようになっても、ことあるごとに私がお客様先に本人の状況を確認して、問題があれば指摘したり、再度教え直すことも。
20年近く多くの人を育ててきたこともあり、また当社に入社する社員の多くが地方から上京しているため、「東京のおとっちゃん」として仕事はもちろん、生活面も含めてできる限り面倒を見たいと思っています。
【これからも「技術屋」であることにこだわり続ける】
今後やみくもに会社を大きくすることは一切考えていませんし、上場なども目指しません。
私は思いのほか頑固なので(笑)、今後も技術屋としてお客様の期待に応えるシステムを創り上げていくことだけに専念します。
ちなみに会社の財務は盤石で、仮に今から既存&新規案件の受注がすべてストップして売上がゼロになったとしても、5年程度は倒産しない経営基盤を築いています。一般的に会社を設立して10年以上継続している割合は10%未満といわれる中、当社は創業年目を迎え、なおかつこれまで赤字を一切出したことがないのが強み。その上、今提供しているシステムの中にはニッチな分野ながらシェアNo.1を獲得しているものもあります。
今後も継続的に専門学校生を受け入れて、プロの技術屋育成にこだわり続けていくことで理想のチームをつくりたいですね。