今から58年前、両親が神戸の地に「洋藝菓子ボックサン」を開業した当時、私は小学5年生でした。子供ながらに、(大変な仕事だなぁ、僕は絶対菓子屋にはならないぞ)と思っていたのですが、「美味しいお菓子を食べて喜んでもらいたい」という両親の姿に感化され自分も参加したいと思うように。気づけばもう50年以上、コックコートを着ています。
私は若き頃から、与えられたことには“ノー”とは言わない、“イエスマン”であることを大切にしてきました。何でも二つ返事で引き受けるので「人が良すぎる!」と心配されることもしょっちゅうです。でも繋いだご縁があればこそ、ボックサンのお菓子は全国のお客様に食べていただけるようになった。30代で兵庫県洋菓子協会の役員になり、「神戸マイスター」「現代の名工」など多くの称号をいただけたのも、“イエス!”で立ち向かう精神があったからだと思っています。
すべての原動力になっているのは、お菓子が大好き、洋菓子業界が大好きという気持ち。食べることが大好きな「くいしんぼう」も、この歳になっても変わることはありません。これからも多くの人と手を携えて、お菓子で未来に希望をつなげていきます。
代表取締役 福原 敏晃