【株式会社エルフ】は、設立以来、電力や交通といった世の中に欠かすことのできないインフラシステムを支える技術者集団として、業界を牽引してきた会社です。
創業者である須賀会長は、自社の技術者を、一社員でありこれからの時代を支える後輩技術者と捉えていると言います。今後はよりいっそう育成に力を入れていくとのこと。須賀会長、坂田社長にお話を聞きました。
個からチームへ。創業の経緯
創業は1991年9月、今年で34期目となります。フリーの技術者として先端技術の総合研究所で働いていた会長が、1人で委託された業務を行うのではなく、チームを抱えることで大きなプロジェクトを手掛けられると思い起業をしたのが創業の経緯です。大きな力で社会に貢献したいという思いからでした。
創業当時は、会長が研究所時代からお付き合いのある電力会社や、製作所などを中心とした工場機械の制御系のシステム開発を行っていました。信用を何より大切に、納期や品質を追求していくうちに、一社、また一社とお付き合いいただくお客様が広がっていき、今に至ります。
社会インフラを支える重責と魅力
電気系、工場機械の制御システム、空調などは、いわゆる「インフラ」と言われる産業です。 社会になくてはならないものであり、人間の生活の基盤をつくるものです。生活の土台を作る仕事というのは大きな責任を伴うもの。停電になったら当社のエンジニアは皆固唾をのんでニュースを見守っているほどです。しかし重責ゆえ大きなやりがいがあるのも、インフラに携わる魅力でもあります。
創業当時から IT 業界はめまぐるしく変化し、技術革新のスピードが速いというのは疑いようがありません。ですが、振り返っても当社が長く携わっている業界のシステムには、大きな波はないのです。もちろん、Windowsが誕生し、白黒画面をカラーにする技術は生まれましたが、業界で求められる技術の本質は変わらないのです。そしてインフラの技術こそが、日本がコツコツと築いてきた技術。携わることができる誇りを感じています。
客先常駐ではなく請負で技術者を成長させる
変化の波がなく世の中に必要な業界は、需要の安定性が高いという長所を持ちます。だからこそ、当社の事業には「信用」が大きな鍵だと考え、お客様に長く継続してご依頼いただけるよう納期を守り、高品質をキープできるようなスキルの高い技術者集団であることを根幹に据えてきました。
当社は基本的に社内で請負を行っています。派遣を行う場合は、技術者を制限しています。これはお客様との信用を事業の核と考えていることの表れ。会長のフリー時代の経験から、客先常駐にはスキルの偏りや個々の管理能力にゆだねるというデメリットがあり、技術者個々の力量に依存する方法は、お客様だけでなく組織にも社員にも得策ではないと判断したのです。当社でお客様先に常駐する場合は、上流工程から責任をもって担当できる技術者に限り、月または週に何日かの出社をするなどといった管理体制を受け入れていただいたうえで行うのみです。組織として責任を持つために必要なことだと考えています。
個人ではなく組織として要望に応えるために
この業界は納品がベースです。漫画家や作家のように、締切までに作品の完成を間に合わせるのが開発職。34年前から変わりません。日本自体が、残業や休日出勤で休みなく働くという時代の名残もあり、エンジニアを擁する業界は徹夜をして会社に泊まるという働き方を長く行ってきました。技術者個々に負担が大きくかかり、私生活を犠牲にし、体を壊す人も多かったのです。当社では、個人に負荷をかけるのではなく、負担を分散し、かつ教育をしていくことが組織作りで何より大切だと考えました。
当社では、技術者を社員という側面だけではなく、今後の社会に必要な後身として育成したいと考えています。世の中に必要な技術を途絶えさせてはいけません。お客様先に常駐してしまうと、成長スピードを待っていただくわけにはいかない。あらゆる技術に精通し、上流フェーズに対応できるまでは、フォローできる体制のなか個人の成長スピードを尊重し育成していくことが、技術者本人にとっても確かな力となるはずです。
インフラ業界を支えるエンジニアリングとしての今後の展望
前述している通り、一般的に周知されているIT業界と一線を画し、インフラ産業ではお客様の要望は安定しており、今後においても大きな波は少ないと思われます。しかし世の中には必要不可欠。当社では今後も、技術者の育成に焦点をあてた活動を行っていきたいと考えています。一人ひとりに目を配れる規模を維持しながら、高い技術を持つ信頼できる技術者集団として、今後もお客様の事業をサポートしていきます。