建物が建てられ利用されるようになるまでの間に、許可や認定のための申請が必要になるのをご存知でしょうか。
建築設計申請業務とは、建物が完成するまでのプロセスで、その建物が法律を遵守した建築物であることを認定する、重要な役割を担う仕事なのです。
今回は、建築設計申請業務のプロである(株)エムズアーキプランニングが、その仕事内容を徹底的に解説します!
建物が完成するまでにどんな申請が必要?
建物を計画してから完成するまで、地域や建物の利用用途により異なりますが、都市計画法、建築基準法、環境保全法などの法令や規制に基づいたさまざまな申請が必要になります。申請の手続きは地域の役所や関連機関に提出し、審査・評価の後に許可が下るという流れになります。
一般的な申請をご紹介します。
1:建築確認申請
確認検査機関や特定行政庁に、建物の構造、用途、面積、高さなどに関する計画書類を提出し、建築基準法に基づく審査を受ける申請です。建築物が法令に適合していることを確認するもので、新築・増改築関わらず建物を建てる際には必要になる申請です。
2:都市計画決定申請
地域地区、都市施設、市街地開発事業などのさまざまな都市計画実行する際、地域の都市計画法に基づき、建物の用途や高さなどが計画に適合しているかを確認する申請です。
3:環境影響評価
主に大規模な建築プロジェクトや環境に敏感な場所での建設に際して必要な手続きです。建物が環境へ与える影響を評価しそれを公表することで、環境保全の観点からより望ましい事業計画を作り上げるための策を講じる手続きです。
4:建築物使用開始届
建物が完成してから利用を開始する際に提出する届出です。建物が法令に適合し、安全に使用できることを確認するものです。
建築には様々な種類の申請業務が存在する
上記以外にも、建築における申請業務は多岐にわたります。省エネや耐震など比較的最近見直されて取り入れられている制度もあり、購入の際には住宅ローンなども関わってくるため、幅広く申請業務が生まれています。その一例を紹介します。
・長期優良住宅認定申請
長期にわたり良好な状態で使用するための措置がその構造及び設備について講じられた優良な住宅であるという認定を受けるための申請です。所定の条件をクリアし、 審査機関からの証明書の交付を受けます。
・フラット35S申請
民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の住宅ローンを「フラット35」と言います。「フラット35S」は、省エネルギー性・耐震性などを備えた質の高い住宅を購入する場合に、借入金利を一定期間引き下げる制度。そのために、耐震性、省エネルギー性、バリアフリー性、耐久性・可変性に優れた住宅に適合していると証明し、関連機関に申請します。
・設計住宅性能評価申請
国土交通大臣に登録した第三者評価機関が全国共通ルールのもと、住宅の性能を公平な立場で評価する制度。住宅の性能を耐震性や構造、音、光、防犯、断熱性などの10分野にわけ、等級や数値などで表示するための申請です。
申請の流れについて
申請の流れは基本的に、以下のようになります。
1)計画立案: 建物の設計と用途を決定し、法令や規制に適合させるための基本計画を策定します。
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2)申請書類の準備: 申請に必要な図面や計算書などの書類や資料を整備します。
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3)審査・評価: 地方自治体や関連機関に提出。申請書類をもって審査がなされ、法令遵守や安全性などが確認されます。
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4)許可取得: 審査が通過すれば、建築確認や都市計画の許可が交付されます。
実際の建築設計申請業務の仕事とは
エムズアーキプランニングでは、申請代行のプロとして建築設計申請業務を請け負っています。具体的にどのような仕事なのか、詳細を説明しましょう。
申請の流れでいう「2)申請書類の準備」からが主な業務になりますが、申請の際に必要な資料や書類を準備します。計画段階でできている図面を見ながら、申請内容に応じて揃えていきます。
例えば、耐震性の認定にはそれぞれ等級があります。2本の柱の間に斜めに木材を渡すことで構造を強化するのですが、その木材の本数で等級が設定されているので、それに応じた図面を作成する…といったことです。
内容によって複雑な計算が必要なこともあります。建築家や設計者などお客様とも連携しながら、クライアントの希望と法的な制約をバランスよく調整していく仕事になります。高さが審査基準よりオーバーしてしまう場合は、土地を盛ったり削ったりという計画を加えるなど、幅広い視点で調整が必要になってきます。
学生の皆さんは、法規や法令に詳しい人も、難しくてよくわからないという方もいるでしょう。
建築士等の資格のために必死で覚えているという方もいるかもしれませんね。
建築設計における申請業務は、安全性を担保し住環境を快適にするためには必要不可欠な業務といえます。
縁の下の力持ちともいえる舞台裏の仕事。
安心・安全な住まいづくりに貢献できるやりがいがあります。
この機会に「サポート」の仕事を調べてみてはいかがでしょうか?