2025年4月に開幕が迫った大阪・関西万博。開催にあたっては会場設営・交通インフラの整備など、建設に従事する人々が多くの役割を担っています。
建物や道路など、目に見えるものは注目されやすい一方で、目に見えない上下水道や電気・ライフラインの整備も大事な建設の仕事。
今回は施工管理見習のスタッフさんに、万博開催に欠かせない設備インフラ工事の現場をレポートしていただきました。
【紹介してくれる人】
日世テクノ株式会社 半田ちなみ さん
2010年、事務職として総務部へ入社。のちにCAD操作や図面作成を手伝うように。二カ月ほど前に初めて現場訪問したことを機に、技術者を目指そうと決意。現在は管工事の試験にもチャレンジし、施工管理としての学びを深めています。
それでは早速、現場の様子をレポートしていただきましょう!
【今回の現場】
此花下水処理場ポンプ場 電気設備工事
― ここではどのような工事をしているのですか?
万博関連の下水施設で電気関係の工事を手掛けています。万博会場から排出される下水処理にあたり、ポンプ回路等の増設が必要なので、それに伴う電気設備の改修を行っています。
― この架台は何をするためのものですか?
電気盤を据えるための土台部分です。ケーブルを取り込むスペースを確保した上で、最終的には周りをコンクリートで固めて、その上に電気盤を設置します。
― 基礎作りにも関わるんですね!今回設置する電気盤にはどのような役割があるんですか?
水を汲み上げるポンプの制御を行います。集まってきた汚水は、脱臭装置→大きなゴミを除去する装置を経て、こちらの沈砂池(浮遊物を沈殿除去するための人工池)に送られます。ここに溜まった水を汲み上げて放水する際、水流を制御するポンプを動かすための電気盤となります。
― 電気盤とポンプが少し離れた場所にあるのはなぜですか?
図面上ではポンプ付近に設置予定でしたが、現場を確認すると消火栓の近くだったので、設置場所の変更を提案しました。図面と現場の環境は一致しないことが多いので、実測したうえで代替案を提案することもよくあります。今回は天井にケーブルを通すルートを確保して配線をつなぎます。
― 臨機応変に対応する力も求められるんですね。勉強になります。
新築工事は何もないところからのスタートなので、想像力を働かせることや、どうしたら可能になるか?を追求する機会も多いですね。他の業者さんとの調整に苦労することもありますが、何もないところからゴールに近づいていく過程には醍醐味があります。
【現場をレポートして感じたこと】
「今回初めて大規模な新設電気工事の現場をみせていただき、電気盤の数と種類の多さに圧倒されました。表には出ない設備の仕事ですが、一つ一つの機械や装置をつなぐ地道な作業があって人々の暮らしが支えられているんだと思うと、自分たちの仕事に誇りを感じます。私も早く現場で独り立ちできるようがんばりますので、先輩方、よろしくおねがいします!」