経験を掛け合わせて、市場価値を高める。近年そんなキャリアのつくり方が注目を集めています。今回は、“大工兼現場監督”として自ら現場の先頭に立つ【株式会社サイテックス】の井口社長に、これから大工を志す人に是非知っておいてほしいことについてお話を伺いました。
““大工兼現場監督”として現場の第一線に立つ”
「新卒で入社した総合建設会社では施工管理の仕事をしていました。ひょんなことから大工の仕事にも関わるようになると、その楽しさに夢中になり、以来、管理と施工の両方を手掛けています。
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現在はおもに大工として現場の施工に入っています。会社設立以前から手掛けている高級分譲住宅においては、お客様から『サイテックスにしか任せられない仕事』と言っていただくほど、高い評価を頂戴しています。施工管理の領域は、現場監督歴40年のベテラン部長が指揮をとってくれているので、私は安心して大工仕事に専念できています」
“9割の大工が知らない?「ココで釘は絶対にNG」”
「大工の仕事って、ごまかしがきかない仕事なんです。手抜きは必ず、将来不具合となって現れます。SNSを見ていると、多くの大工さんが床の下地に釘を打っていますが、私たちは絶対に釘を使いません。経年とともに床材がやせてゆるんでくると、釘が浮いて、歩くたびにキーキーと床が軋むようになるからです。手間がかかってもビスを打ちますし、さらにビスの下には発泡ウレタンの糊をかませています。小さなことにも手を抜かないのは当然のこと、ひとつ不具合を見つけたらその原因を徹底的に追及するようにしています」
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“その場をやり過ごさないこと、良くも悪くも評価はあとからついてくる”
「私はもともと現場監督出身なので、管理の視点で現場を見ますし、完工後はお客様の評価を直接聞きに伺います。でも、ほとんどの大工はそれをしません。実際、施工したらそれで自分の仕事は終わり、と思っている人はものすごく多いと思います。その後の経過を見る機会がないとか、機会があっても人に任せてしまうとか。だから数をこなしてもノウハウが蓄積しないし、理解が深まらないから応用も利かない。とても残念なことだなと思いますね」
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“二極化がすすむ大工業界、一流を目指すなら心構えと環境が大切”
「この業界はなり手不足。さらに腕のいい大工は本当に少ないからこそ、確かな技術とノウハウを身につければ、一生仕事に困ることはありません。技術とは手先の器用さではなく、お客様の困りごとを解決するスキルのこと。みなさんには、自ら調べたり、考えたり、リスクや怖さがあっても「やってみよう」とチャレンジする意気込みを大切にしていただきたいですね。あとは、どんな環境で仕事を学ぶかも、非常に重要だと思います。これからの建設業界を担うみなさんの成長と活躍を、私も最大限に応援していきます」
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