<宴会×レストラン>グランドニッコー東京ベイ 舞浜のトップシェフが語る!ホテル料理人の仕事の面白さと未来像

2025.10.09 11
これから料理人としてキャリアを重ね、ゆくゆくは料理長としてチームを率いるかもしれない未来。その道のりでは、どんな経験や壁が待っているのか。
その答えを持つのが、グランドニッコー東京ベイ 舞浜で長年キャリアを築いてきた2人の料理長です。宴会部門・レストラン部門という異なる現場で腕を磨き、人を育ててきた2人に、ホテル料理人としてのキャリアの歩みと若手へのメッセージを伺いました。
“料理人としての未来を描くヒント”がここにあります。
 
【グランドニッコー東京ベイ 舞浜】
2020年に新たに生まれ変わり、人気テーマパークのオフィシャルホテルとして国内外から多くのお客様をお迎えしています。
館内には宴会・ブライダル・レストランといった多様なステージがあり、料理人として幅広い経験を積むことができます。
確かな基礎を学びながら、一流の技術とおもてなしの心を学べる環境です。
 
今回お話を伺ったのは…

(左)総料理長 髙士 敏さん(武蔵野調理専門学校出身)
(右)レストラン統括 町屋 裕史さん(武蔵野調理専門学校出身)
(以下、敬称略)
 


新人時代、どんな壁を経験し、どう乗り越えてきましたか?




髙士:私が専門学校を卒業してホテルに就職したのは、もう30年以上前のことです。私にとって、新人の頃はとにかく先輩の“まかない”を作るのがプレッシャーでした。でも、あるとき魚のアラで作った雑炊を先輩から「これ、うまいな」と褒めてもらえたんです。出汁のとり方など、自分なりに工夫したことが実を結び、そこから少しずつ自信がついていきました。そうした小さな工夫とチャレンジの積み重ねが、料理人としての成長につながっていたのだと思います。
 
町屋:僕も最初はプレッシャーの連続でしたね。 “社会人としての責任”を感じながら、現場では教科書通りにいかないことばかり。しかも、当時ホテルは開業直後で大忙し。そんな中で、自分で考えながら任された仕事をやりきるしかありませんでした。それでも続けられたのは、先輩たちが本当に優しかったからです。「焦らずにやってみろ」「失敗しても大丈夫」と声をかけてもらえる環境でした。そうやって支えられながら続けるうちに、自然と技術が身につき、少しずつ成長できたと思います。
 
髙士:先輩たちは厳しさの中に優しさがあって、失敗してもちゃんと見てくれていました。今の若い世代も、そうした先輩に囲まれて成長していると思います。
 
町屋:最初は覚えることも多くて大変だと思いますが、周りがちゃんと支えてくれる。だからこそ、「ここなら頑張れる」と思える環境なんですよね。
 

レストランと宴会、ホテルで働くからこそ身につく力とは?




町屋:レストラン部門の一番の特徴は、毎日がまったく同じではないことです。宴会は日時や人数が決まっていますが、レストランは天候やイベントで来店数が大きく変わり、突然団体客が来ることもあります。だからこそ柔軟に動く力や判断力が自然と身につきます。季節ごとのフェアやイベントごとに特別メニューを考える機会も多く、洋食だけでなく和食・中華など、幅広い知識と技術が得られるのが魅力です。
 
髙士:宴会では、1,000名規模のコース料理を一斉に提供することもあります。時間との勝負で、チーム全員が同じ方向を向かなければ成り立たない。段取り力やスピード感が磨かれます。でもその分、全員で一つの宴会を成功させた時の達成感は大きい。お客様から「美味しかった」「ありがとう」と言っていただける瞬間は、苦労が一気に報われます。
 
町屋:ホテルでは宴会もレストランも経験できるのが大きな魅力です。小さな店では一つの業態しか学べませんが、ここでは日々違う料理・違うお客様に向き合える。料理人としての幅が、自然と広がっていくんです。
 
髙士:私もレストランから宴会に異動して、“同じホテルでも全く違う世界がある”と感じました。学生のみなさんも、どちらが自分に合うか悩まず飛び込んでほしいです。どちらも経験できるのがホテルの良さですから。
 

料理長になるまでに、どんなキャリアステップや力が求められますか?




髙士:料理人のキャリアは、一歩ずつ積み上げていくものです。最初は調理の基礎を学び、次に発注や在庫管理、原価の考え方を覚えます。アシスタントチーフやチーフになるとチームをまとめ、後輩を育てる役割も加わります。アシスタントシェフになると料理長の右腕として現場を支えるようになります。
若い頃は仕事をこなすだけで精一杯でしたが、経験を重ねるうちに「自分の動き一つでチームが変わる」と実感しました。技術だけでなく、人を動かす力を意識するようになりましたね。
 
町屋:僕も同じで、キャリアを積むとは“役職を上げること”ではなく、“人を育てる立場になること”。自分の仕事を部下に任せられるようになれば、自分は次の段階へ進めます。後輩の性格や考え方を理解し、どうすればその人が一番力を発揮できるかを考える。それは僕自身が先輩たちにそうしてもらってきたからこそ、今は意識していることですね。
 
髙士:昔はアシスタントチーフになるまでに10年かかる時代でしたが、今はやる気次第でどんどんチャンスを掴める環境です。
1年目から宴会の盛り付けやパフォーマンスキッチンのアシスト、2年目には発注など責任ある仕事も任されます。若手が大型宴会の一皿を担当することもあり、意志と努力次第で早くから現場の中心に立てる。今はまさにチャンスの時代です。
 
町屋:キャリアアップは特別な才能ではなく、日々の積み重ねです。目の前の仕事を一生懸命やっていれば、自然と次のステップが見えてくる。僕も最初から料理長を目指していたわけではありません。お客様の笑顔の積み重ねが今につながっています。
 

後輩を育てるうえで、大切にしていることは何ですか?




町屋:教えるときに大事なのは「相手をよく見ること」。性格も考え方も違うので、全員に同じ教え方をしてもうまくいきません。意志の強いタイプには任せて伸ばし、不安なタイプには安心感を与えるようにしています。だからこそ、日々の会話や仕事の様子を通して、“その人を理解すること”を意識しています。僕自身も、先輩たちがそうやって寄り添ってくれたからこそ続けてこられました。
 
髙士:私も同じ考えです。今の時代に大切なのは“伝え方”。自分の意見を押し付けず、相手の考えを聞きながら進める方が理解が深まりますし、チームの雰囲気も良くなります。
 
町屋:それに、後輩たちが安心して意見を言える空気をつくるのも大切ですよね。僕はできるだけ1年目や2年目のスタッフとも直接話すようにしています。ちょっとした相談でも、自分のところに来てくれる関係をつくっておきたいんです。話を聞いてあげることで、その子の中に「ちゃんと見てもらえている」という安心感が生まれる。それが成長につながると思っています。
 
髙士:昔のように“背中を見て学べ”という時代ではないですからね。今はみんなが意見を出し合える環境を作る方が、良い現場づくりにつながります。上の立場の者がその姿勢を示すことで、現場全体が活気づきます。
 

これから料理人を目指す学生に伝えたいことは?




髙士:今は若い料理人が求められる時代です。やる気と実力があれば、年次に関係なくチャンスを掴める。このホテルでも若手が宴会の一皿や新メニューを任されています。努力した分だけ結果になる。ぜひ挑戦を楽しんでほしいですね。
 
町屋:キャリアを積むうえで大切なのは、「20年後の自分をイメージすること」だと思っています。最初のうちは目の前の仕事で精一杯でも、「自分はどんな料理人になりたいか」を考えながら働いていくと、日々の学びが未来につながっていきます。
僕たちの仕事は“ものづくり”です。自分の手で作った料理を通して、お客様に笑顔になってもらえる。その喜びを感じた瞬間、「続けてきてよかった」と心から思えるはずです。
 
髙士:料理は結果がすぐ見える仕事です。お客様の「美味しい」の一言が努力の証になる。どんな場面でも“食を通して人を幸せにする”という気持ちを忘れずにいてほしい。きっとその想いが、あなた自身の成長を支えてくれると思います。

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