「豊かに生きる」とは、どういうことでしょうか。
経済的な安定、好きな仕事、家族との時間、人とのつながり― その答えは、人によってさまざまです。けれど、「自分のためだけ」「一人の努力だけ」では成り立たないのが、豊かさの本質かもしれません。
今回は「生きていく豊かさの実現」を理念に掲げる「株式会社ユナックス」のみなさんに
「自分にとって、豊かさの実現とは?」
「そのために大切にしていることは?」
「ユナックスらしいと思う実績は?」
とのテーマでお話をしていただきました。
一人一人の声を通して、働く中で見えてくる“豊かさ”のリアルについて紹介します!
お話を伺ったのは……
【株式会社ユナックス】
美術館や博物館をはじめとする文化施設や商業施設等の空間設計・施工を行う会社です。
小規模なリフォーム工事から年単位のプロジェクトまで幅広い実績があり、大阪市東住吉区に本社があります。
「楽しむ心」が、豊かさをつくる
仕事である以上、大変なことやプレッシャーがあるのは当然。その中でも「楽しもう」という気持ちを持ち続けることが、よりよい仕事と豊かな日々につながると、ユナックスでは考えています。
「入社前から、変化に富んだ仕事をしたいと思っていました。だからこそ、せっかくなら全部楽しもう!という気持ちで仕事に臨んでいます。ある場所でキッズコーナーを手掛けたときは、思わず自分も完成したばかりのボールプールに入って遊んでしまいました(笑)」
「新人時代、右も左もわからなくて身動きが取れずにいたときに、上司から『仕事ではあるけれど、何ごとも楽しくやったらいいよ』と言っていただき、救われる気持ちになったことが印象に残っています」
【たとえばこんな現場!】
LDC レゴ・ディスカバリーセンター内装工事(大阪)
「幼い頃、よく遊んでいた玩具メーカーの仕事だったので、恩返しができた気がしてとても嬉しかったです。発注元が海外企業ということもあり、外国人の作業員と一緒に作業を進める場面もありました。『ロングビス!』など、片言の英語でコミュニケーションを図る現場は、印象に残る経験となりました」
「責任と向き合う力」が、豊かさの土台になる
空間をつくる仕事は、ただ形を完成させればよいというものではありません。求められるのは、お客様の想いや背景を汲んで、最適なかたちを考え抜くこと。そして、工程や納期などの約束を守りながら、細部まで丁寧に仕上げる姿勢が不可欠です。
華やかさはなくても、その積み重ねが信頼になり、ひいては自分の暮らしや家族を守ることにつながる。また、責任を自覚するからこそ成長があり、やりがいや達成感も生まれると、先輩たちは語ります。
「納期が通常の半分ほどしかなく、非常にタイトなスケジュールで完工した現場があります。とにかく大変だった、の一言に尽きるんですが、大変だった分、感動の大きさを実感すると同時に、無理難題をやってのけるもユナックスらしさだなと思いました」
【たとえばこんな現場!】
飛騨高山美術館展示造作工事(岐阜県)
「初めて一人で担当した遠方の現場で、自分の無力さを痛感しました。でも、だからこそ悔しさや“負けたくない”という気持ちが芽生えて、少しずつ強くなれたと思います。最近は、職人さんや取引先の方から“認められているな”と感じる機会が増え、自身の成長を実感しています」
人との「つながり」が、豊かな自分を育てる
仕事を進める上で大切なのは、技術だけではありません。お互いを支え合い、声をかけ合える環境が、挑戦と成長の後押しになっているようです。
「一年生のときは、先輩からよく声をかけてもらえることが嬉しかったです。いつも親身になってくださるので、何でも質問・相談しようという気持ちになりましたし、教わったことは早く習得しようと前向きに仕事に取り組めました」
また、仕事での出会いを通じて、視野の広がりを実感することも。
「現場では、国籍や文化の異なる作業員と協力することもあります。毎日グータッチを交わすなかで、“彼が将来、母国で起業したら、海外で一緒に仕事ができるかも”と、夢が広がりました」
【たとえばこんな現場!】
坂本龍馬記念館 展示造作工事(高知県)
「日頃は間接的な業務を担当している私ですが、この現場では実際に足を運ぶ機会がありました。歴史的な建造物や文化施設の空間造作を得意とする、まさにユナックスらしい案件だと感じましたし、現場で懸命に取り組むメンバーの姿を目の当たりにして、改めて一人ひとりへの感謝の気持ちが湧いてきました」
ちなみにこちらの現場は、多くの社員さんが「もっともユナックスらしい実績」と評価。
「歴史や文化という、ユナックスが得意とするジャンルの案件」
「ユナックスが大きく成長している時期の案件でもあり感慨深い」
などの声が寄せられました。
また、発注元から様々な案件に取り組んでいただいた功績として、表彰していただくことにもなりました。
最後に、社長から学生のみなさんへメッセージをいただきました。
「若い頃、バックパッカーで7カ月程ヨーロッパに行ったことがあるのですが、右も左も分からない中、出会った人たちに驚くほど親切にしてもらいました。人の温かさに触れたことで、自分もいつか恩返しがしたいと思うようになり、会社の代表になった際はその思いを「生きていく豊かさの実現」という理念に込めました。誰かのために力を尽くす。社会に良い影響を与える。そうした姿勢や働き方を、建築という分野を通して形にしていく会社でありたいと思っています。
社会に出ると戸惑うこともあると思いますが、周囲と助け合いながら、誰かにとっての“価値のある仕事”をしていくうちに、気づけば“自分にとっての豊かさ”も、少しずつ形になっていくはずです。あなたがこれから出会う場所で、そんな豊かさを見つけられることを、心から願っています」