堺市を中心に関西一円の公共工事を手掛ける株式会社五大コーポレーション(本社:大阪府堺市)。1994年、バブル景気崩壊後の最も厳しい時期に、業界再興に立ち向かう有志によって設立された。以来26年、現在では堺市の等級格付Aランク、国土交通省はじめ各発注者からは常に高い工事評価点を獲得するなど、成長性と技術力の高さにおいては同業他社からも一目置かれる存在だ(主な工事・表彰実績は同社HP参照)。不安定な社会情勢下において、破竹の勢いで発展を遂げてきた同社の強みはどこにあるのか。その勝因を探った。
・「一人一人が創業者」としての自覚で
第一に、社員一人一人が創業者の自覚に立ち誠実な仕事に徹してきたことが挙げられる。創業メンバーの一人である丸橋宣夫さん(常務取締役)は、当時をこう振り返る。「この先どうなるかというまさに“崖っぷち”からのスタートでした。でも、トラックの運転から現場作業まで、何だって自分たちでやっていこう!という気概に溢れていましたね。いただいた仕事は最高品質で仕上げる。常にプロ集団として最善を尽くす。懸命に目の前の仕事に取り組む中で次第に実績が増え、現在はほぼすべての工事を元請会社としていただいています」 ビジネスにおいては結果が全て。意気込みを行動に変え結果を出す、その有言実行力こそが今日の発展の礎になっていると言えよう。
・すべての現場が「優良工事表彰」を目指す社風
次に注目すべき点は、技術力向上に対する飽くなき挑戦があること。かねてより公共工事においては高い評価を得ている同社だが、この数年は全社員が優良工事表彰の受賞を目標に掲げ、各々の業務にあたっているという。これはトップダウンではなく社員同士の触発から生まれた風土。会社も一人一人の挑戦を全面的にバックアップしており、表彰を受けた現場担当者には手当が支給される他、社外講習や資格取得費用の支給、若手だけの勉強会開催など柔軟な支援体制が構築されているのだ。
・個人の力を企業力に集約する「ブロック制」の導入
このように社員の主体性が際立つ同社では、現在工事部門においてブロック制の管理体制を導入している。部門全体を5~6個のブロックに分け、それぞれにリーダー(ブロック長)を選任。ブロック長と現場担当者が連携を図りながら、共に施工・品質・安全・工程・原価管理を行っていくシステムだ。ベテランと若手の協働による技術継承や、情報集約による的確な経営判断の実現など、一人一人の力を企業力に反映させる。ここに㈱五大コーポレーションの独自性が光る。今後も更なる創意工夫で、顧客の期待に応え続ける企業を目指していくという。
社員の主体性を尊重する同社には、細かい規定やルールは存在しない。食事会では社長も一社員も関係なくにぎやかに談笑したり、趣味の話で盛り上がったりする。また、社員旅行の際は全員が参加できるよう、土曜の現場を休みにするのが習わしだそうだ。会社とそこで働く人との関係性は、企業の文化風土を決定づける。プロとして互いをリスペクト(尊重)し、確かな歩みを運び続ける㈱五大コーポレーション。これからどんな風を巻き起こしていくのか、期待をこめて見守りたい。