印象に残っているのは、南吹田市の下水処理場の雨水貯水池の設置工事。50mくらい掘る中で、五反島遺跡から平安時代の土器が大量に出土したんです。工期が半年くらい止まりました(笑) 現代と同じ取手を鉄で補強した仕様のスコップも出てきたそうで、そういうのを聞くと面白いなあと思います。20m掘ると6500年前の地層が出てくるので、遺跡や地質にもたくさん巡りあえます。アンモナイトもよく見ますよ。私は自身でそこに面白さや楽しさを見出しているので、達成感があります。長く続いている理由はそれかな。また当社は現場が終わったら10日ほど休暇をいただけるので、それもリフレッシュになっています。
UPDATE:2023.05.30
地面のなかのことって誰にもわからないんですよ。ボーリング調査なので全体がわかるわけではないですし、ないはずのものがあったり、あるだろうものがなかったり。一番怖いのは「水」。大阪なんて茨木市くらいは昔海でしたし、いたるところに水源がある。どこを掘っても水が出てくるんですよ。私がよくするのが江戸時代の古地図を出して河川の位置を確認すること。淀川も氾濫で変わってますし、桂川も今と昔では変化しているんですよ。昔は川床がないので、かなり地下まで染み込んでいるんですよね。地球をいじくりまわしている仕事なのでそこは大変ですよね(笑)でもそこが面白さでもあります。
UPDATE:2023.05.30
前職は自衛隊や運送の仕事をしていたのですが、30歳になって手に職を身に付けようとこの仕事を始めました。異業種でしたが不安はなかったですね。当時は先輩の背中を見て学ぶというのが主流。今の若い方も積極的に質問したほうがいいと思いますね。聞くと覚えますから。
建築は誰かの所有物を作る仕事ですが、土木は地域のインフラを作るので町の人のために仕事をしているという実感があります。世界でも、土木は高給で地位も高い国が多く、リスペクトされている仕事なんですよ。日本では世界でもトップクラスの土木業者数で競争が激化しているうえ、若手の成り手が少ないのが課題ですね。
UPDATE:2023.05.30