将来をさまざま模索する中、食に関する世界で高みを目指してみようと思い、この道に進みました。パティシエを選んだのは、自分が手掛けたケーキがそのままショーケースに並び、子供から年配の方まで幅広いお客様に喜んでいただける点が魅力だったから。それまで製菓の世界には縁がなかったのですが、お客様と正面から向き合える、ごまかしのきかない仕事だなと感じたことが決め手となりました。働きながら力をつけたいと思い大阪で就職活動をしていたところ、出会ったのがル・ピノーの求人。玉造店のオープニングスタッフとして採用していただき、パティシエとしてのキャリアをスタートさせました。
UPDATE:2023.11.21
製菓の経験・知識はゼロからのスタートだったので、最初の3年は何でもやろう、とにかく周囲に追いつこうという気持ちで必死でした。自分では相当の覚悟をもって飛び込んだつもりでしたが、それでも当時はしんどいことの方が多かったと記憶しています。ひとつの目標にしていた3年が過ぎた頃、北堀江店のシェフに声をかけていただき店をかわることに。新しい環境に身を置いたことで視野が広がり、ル・ピノーの一員として更なる自覚や責任感が芽生えたことは、自分にとって大きな成長であり、転機だったと感じています。努力は必ず、誰かが見てくれている。結果や評価は後からついてくることを、身をもって学んだ出来事でした。
UPDATE:2023.11.21
入社して5,6年までは“お菓子をつくりたい”という気持ちが先立って、とにかく何でもできるようになりたいと思っていました。しかしある時から、逆にひとつのことを深く掘り下げるように。作り上げることもやりがいだけれど、“美味しいお菓子をつくるために必要なことは何か”という視点は、パティシエを名乗るうえで欠かせないものだと気づいたからです。以来、材料ひとつひとつの産地や生産法にも意識を向け、講習会などにも積極的に参加するようになりました。味や質を左右する温度やタイミングの違いは、経験を積んだ先にわかるもの。身につけた技術やスキルは将来にわたって自分の武器になるので、焦らず力をつけていきましょう。
UPDATE:2023.11.21