親戚が創業者にあたる家に生まれ育ち、この店は子どもの頃から私にとって身近な存在でした。物心つくころには(将来はこの店で働くのかな?)という気持ちもありましたが、具体的な考えはないまま、気づけば純粋な料理への興味からこの道を志していました。
専門学校時代は進みたいジャンルが決まらず、卒業後1年は創作料理店でアルバイトをしていました。その時の上司の「まずは自分のベースをつくったほうがいい」という言葉が転機となり、自国の料理を知ろうと和食の道に進むことを決心。その後就職した和食店は、ミシュランの星を取るまでに発展し、私も新店舗の立ち上げを担当するなどさまざまな経験を積むことができました。
UPDATE:2025.04.13
和食店での7年間の修業を経て、料理人としての次のステップを模索していた頃、ある国際派遣プログラムの募集を目にしました。料理の分野で応募したところ、インドネシアの観光地にある大学へ派遣されることに。学生たちに日本料理を教える日々のなかで、さまざまな角度から自国の料理を見つめ直すよい機会になりました。
契約期間の終了後は、現地の高級リゾートホテルに勤務。その後、日系の大手ホスピタリティ企業がインドネシアに進出する際は、総料理長として新拠点の立ち上げに参画しました。他にもグループ内での料理開発やスタッフ教育など幅広い業務に携わる中で、今の自分のベースとなる土台を築くことができたと思っています。
UPDATE:2025.04.13
帰国後、タイミングとご縁が重なり、「わらじや」へ入社したのは2018年のことです。昔から親しんできた場所ではありましたが、これまで外で積み重ねてきた経験を、この店でどう活かすかが自分のテーマでした。はじめは技術の習得に集中し、その後はコロナ禍を機に、予約システムの整備やテイクアウト商品の開発などに着手。思い切って新しい取り組みに挑む中、業績は好転し、改めて「動けば変わる」という手応えを得ることができました。今後も「わらじや」の料理のベースは守りながら、柔軟なメニュー展開や働く環境の整備に一層力を入れていきたいと思っています。変化を前向きに楽しめる仲間と一緒に、歩んでいけたら嬉しいです。
UPDATE:2025.04.13