全国各地のロードサイドエリアにてここ数年、特に積極的に新規出店を続けている人気ラーメン店「山岡家」。
現在188店舗を展開しつつ、今後3年で年商500億円を目指しています。
年間3000万人を超えるお客様に愛され、なおかつリピート率は飲食業界では驚異の「75%」という、圧倒的な数値を維持。
このように、山岡家に対する高い人気を支えている大きな理由、それは多くの人の期待を裏切らない『確かな味と品質』にあります。
そして、その味と品質を維持するために山岡家では独自の社員教育を行っているため、今回は研修担当責任者にその特徴について伺いました。
【お話を伺ったのは・・・】
株式会社丸千代山岡家
1988年、茨城県牛久市内に「ラーメン山岡家」を開店して以降、着実に店舗を拡大しており現在、全国188店舗(2025年1月時点)を展開中。
【食を通じて、人と地域社会をつなぐ企業へ全てのお客様に喜んでもらい、「お客様」「社会」「社員」に必要とされる企業であり続ける】を経営理念に、「店内調理」をはじめとした味と人にこだわる経営姿勢を創業以来、一貫して大事していることによって根強い人気を獲得。
2025年1月期には売上高345億円、今後3年で年商500億円を目指している。
【インタビューにご協力いただいた方】
小泉康輔(こいずみ こうすけ)さん
営業本部 トレーニング課
2015年中途入社。3店舗の店長を経験後、2024年10月より社内公募に応募して現職へ。
【トレーニングセンター設立の経緯について】
トレーニングセンターが茨城県つくば市内にできたのは、今からおよそ7年前。
それまでは店舗での実習がメインで、体系的な教育研修制度がなかったといいます。
小泉:
『今後、さらに多くの新規出店を通じて、どの店に行っても山岡家ならではの味やサービスを提供できるようにするために、トレーニングセンターの開設や入社後の教育研修プログラムなどを少しずつ整備して、今に至ります。』
そしてもう一つ、トレーニングセンター設立の大きな目的が、「社員の離職率防止」。
全国展開している山岡家では入社後、同期メンバーと直接、集まって交流を図る機会がないため、トレーニングセンターに定期的に集まり、研修を受講しながら同期で交流できる場を設けたそうです。
【独自の教育カリキュラムのもとで、段階を踏んでステップアップ】
トレーニングセンターは「元店舗」として運営していた建物を流用していることもあり、調理場をはじめ一般的な山岡家の店舗を忠実に再現しています。
小泉:
『実際にトレーニングセンターを利用した社員からは特に模擬キッチンが好評です。
実際の調理環境と同等の設備で、実践的なスキルを身に着けられる環境をご用意しています。』
また山岡家では、独自のキャリアアッププログラム「Y-CUP」を設定。
▼レベル1 入社1年目の社員を対象に、店舗運営に関する基本的なスキルを習得
▼レベル2 2年目以降の社員を対象に、店舗マネジメント・計数管理ノウハウを習得
▼レベル3 店長を目指す社員を対象に、店長になるための必要な知識・スキルを習得
▼レベル4~5 店長を対象に、さらに上を目指すための専門スキルを習得
各段階において、
「トレーニングセンター研修」
「配属先店舗にて、専門テキスト(トレーニングハンドブック等)を活用して独学/店長からの指導」
といった形で各社員が継続的に学びます。
その後、社内試験や技能検定を受けて合格することで、全社員の調理・接客・店舗運営スキルの底上げを図ったり、どの店舗でも高品質な山岡家ならではの味やサービスを均一に提供できる体制を目指しているそうです。
【入社1年目で受ける、教育研修の具体例について】
実際に山岡家に入社後、どのような教育研修やサポートを受けるのでしょうか?
その点について、小泉さんに説明してもらいました。
小泉:
『まず入社初日から4日間、トレーニングセンターにて導入研修を受講していただき、山岡家の経理理念や味に対するこだわり、また店舗運営の基本的なノウハウを教えます。
その後は各配属先店舗で経験を積みつつ、入社1ヶ月・3ヶ月・半年・1年の各タイミングで定期的にトレーニングセンターに集まって随時、研修を実施。
合わせて彼らの成長度をチェックして、今後の目標を確認したり、また私から各店舗の店長に連絡を取って教育指導面でのフォローをします。
また研修以外にも定期的に面談を実施することで、彼らの悩みや不安を解消するためのケアもしっかり行っています。』
【社内研修や教育に不安を持つ方へ。山岡家からのメッセージ】
山岡家では「店内調理による、全工程を人の手でつくる」ことを全店舗で徹底するなど、特に「山岡家ならではの味や品質」に対するこだわりはほかの追随を許さないほど。
さらに全店舗で同じレベルの味を提供するために、「スープ」「チャーシュー」「ネギ」といった各素材へのこだわりはもちろん、実際の仕込み作業や調理方法も細部まで完全マニュアル化されています。
そのため一般的なラーメン店と比べて覚えることが多いことから、これまでご紹介してきたように教育研修に対して注力しているのです。
最後に社内研修や教育に不安を持つ方に向けて、小泉さんからメッセージをいただきました。
小泉:
『覚えることが多いため、短期間でとにかく知識を詰め込む教育は一切していません。無理なく、着実に成長できるように、一人ひとりの成長スピードに合わせて目標設定や教育支援を行っています。
その上で山岡家独自の味へのこだわりに少しでも共感してもらえたら、ぜひ私たちの仲間になってほしいと思います。』