年に一度の成長を試す貴重な機会
キッチンのメイン業務は、婚礼料理を作って提供することですが、年に一度、自分の成長を試される催しがあります。それが社内キッチンコンペティションです。
婚礼会場のお料理は、通常のレストランと違い、前もって人数の把握ができ、食品ロスや過剰在庫を抱えることがありません。このため、週末の披露宴に向けて、平日に仕込みをし、計画的に効率よく仕事を進められるメリットがあります。当日は秒単位で動くため、段取りの良さも身につきます。それゆえ、毎回同じメニューを作り続けることになり、業務が単調になりがちです。
そのため、社内では、個人の技術や知識を身につけられるよう、さまざまな研修や学ぶ機会が用意されています。その代表が「TS(トレーニングスタディ)研修」と呼ばれるものです。
料理の技術と知識のほか、原価計算や販売価格の設定など、数値管理を学びます。Excelやパワーポイントなど、パソコンを使って仕上げたレポートを、社内で共有します。資料を社内で共有することで、他の店舗にいるシェフや先輩からも幅広く指導を受けることができ、一料理人として必要なスキルを身につけることが可能です。
ここは結婚式場でありながら、レストランに負けないスキルを持ったシェフがいるのは、そのためです。世の中でも男性シェフが多い中、今年はエスクリ初の女性シェフが誕生しました。
各々が料理への自主的な取り組みをしつつ、自己の成長を試す場が、社内コンペです。こちらは研修で身につけた料理人として必要なスキルを駆使して、自身でメニューを考案し、一つの料理をコンセプトから創り上げます。
コンペは書類選考をして、4つのブロックに分けて予選を行います。それぞれの1位を決勝で競わせる形です。一昨年の優勝者にはフランスの三ツ星レストランでの研修を1か月。今年は、国内のミシュラン三ツ星レストランでの食事券がプレゼントされました。ぜひまた挑戦したい、という声も多く、毎回とても盛り上がります。
このように社内外で刺激をもらい、レポートを作って社内で情報共有することで、常に外の情報にも触れられる環境作りがあります。
調理は既製品を使わず、原材料を仕入れて現場で一から調理しています。プロフェッショナルなキッチンのスタッフが原材料を料理に変えていく醍醐味を、ぜひ体験していただきたいです。