“肉汁溢れるハンバーグ” が話題を呼び、大阪北摂エリアと兵庫エリアで圧倒的人気を誇る【和牛ハンバーグ・ステーキレストラン 津の田ミート】。
2010年7月に一号店がオープンしてから14年、毎年店舗を拡大しながら急速かつ堅実な成長を続けています。
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今回は“津の田ミート”を運営する【プルバンフードサービス株式会社】の山本達也社長に、ご自身の「飲食人」としての歩みとこれからについてお話を伺いました。
“山本社長のバックボーン:サッカーに打ち込んだ十代 ”
小学生の頃からサッカー少年で、高校時代はプロからスカウトをいただいたこともあります。一方で(サッカーを究めた先には何があるんだろう)と、よく将来のことを考えていました。大学でもサッカーは続けましたが、“現役引退後の歩み方を、自分の姿で後輩に見せたい”との思いがあり、3回生のときに選手から監督兼マネージャーにポジションチェンジしたんです。また大学とは別で、地元・高槻に社会人チームも立ち上げました。本気でやったら高槻市の大会でリーグ優勝してしまったんですけど、一番いい時に終わるのがいいということで、その時点でチームは解散。当時から切り替えは早いタイプでした。
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“商売への興味から、家業を継ぐことを決意 ”
創業者である父の姿を見て育ち、学生の頃から仕事の仕組みやお金の循環に関心を持っていました。今思えば、卒業後の進路を考えたとき、“商売をしたい”と考えたのは自然なことでしたね。サッカーという、トライと結果が循環する環境にいたことの影響も大きかったと思います。また“今あるものを受け継ぎ、さらに次世代につないでいく”ことに興味があったため、ゆくゆくは父の会社を継ごうと考えるようになりました。
“飲食人の原点を築いた修業時代 ”
卒業後は大手飲料企業のレストラン部門と、街場のイタリアンレストランで経験を積みました。料理におけるシステムとアナログ、双極を体験できたことはとても勉強になりましたし、イタリアンレストランはシェフが一人で営んでいる店だったので、料理の技術を身につける上ではまたとない環境だったと思います。徹底して、「教わるのではなく、自ら学べ」というスタイル(笑)。見て、真似て、お客さんにヒアリングして、時間を無駄にしたくなかったので、できることはやり尽くしました。飲食人としての自分のルーツは、この時の経験にあると思っています。
““おいしそう、驚き、おいしい!”三拍子そろったハンバーグが誕生 ”
プルバンフードサービスへの入社は、社会人3年目のとき。しばらくは立ち上がったばかりの洋食事業部を担当していましたが、次第に既存の経営方針と自分が目指すスタイルにギャップを感じるようになりました。ある日社長である父から「会社の冠だけ継いでも、中身が廃れたら続かない。自分の力でこの先何十年と世の中に求められる商品をつくれ」と言われたんです。
試行錯誤を重ねた末に辿り着いたのが、肉汁溢れるハンバーグ。毎日少しずつレシピを調整し、「この味でいこう!」と思えるまでに4年かかりましたが、そこから売り上げが一気に伸び、事業としての軌道に乗せることができました。現在は料理・サービスに加え、空間演出にも力を入れており、今後は五感で津の田ミートを楽しんでいただける店づくりを強化していきます。
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“ゼロベースに挑む、ロールモデル店舗の立ち上げ ”
一号店の開業から年に一店舗のペースで出店を続けてきましたが、「人と会社の並行成長」を掲げる会社の基本理念に基づいて、今後も出店ありきの事業拡大は考えていません。手がけたいのは数よりも質。ゼロベースから店をつくるようなクリエイティブさを、社員一人一人が発揮できる環境をつくりたいと思っています。
改善を重ねたオペレーションは、たしかに負担が少なく、生産性もあがります。でも、各自が飲食人としてスペシャリストを目指すには、それだけではダメ。ゼロから1を生み出す経験や、自分にしかできないチャレンジに、もっと踏み込んでいく必要があるんです。
だから今年は、そのロールモデルとなるお店をつくる予定。そこでは私が陣頭指揮を執って、“こんなこともできるんだよ”という手本をみんなに示していきたいと思っています。今からとてもワクワクしています(笑)
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“今いるところから業界の常識を変える ”
ゼロベースへの挑戦を後押しするのは、社員一人一人のキャリア・人生へのリスペクトがあるからです。津の田ミートのハンバーグをつくる、そこに+αを加えることで、自分だけの飲食人のキャリアができあがる。私はそれを最大に応援したいし、プルバンフードで過ごす時間が一人一人にとって価値あるものになるよう、できる限りのことをしたいと思っています。
たとえば、飲食人のセカンドキャリア形成は、業界全体においても大きな課題です。プルバンフードサービスではその課題へのアプローチとして、社内に異なるキャリアのフィールドを新設しました。ひとつは農業事業部、もうひとつはEC事業部、どちらも社会性・事業性のある取り組みにすることで、社員のセカンドキャリアやサードキャリアにつなげることができたらと考えています。短期間で効率的に仕組化するのではなく、これから20年かけて、みんなで一緒に創りあげていくのが理想ですね。
日本を変えるほどの力はないかもしれませんが、自分たちの活動圏内を変えることはできる。これからも一人一人のストーリーが輝く、そんな会社をつくっていきたいと思っています。
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“飲食業界での活躍を目指す学生さんに伝えたいこと ”
“この仕事が好きだ”“ここで働きたい”と思える道を選ぶことは大事だと思います。好きなことなら打ち込めますし、意欲的に取り組めば周囲からも必要とされる。そうやって自分の居場所を作ることができれば、仕事はさらに面白くなります。“スペシャルなハンバーグが作りたい!”とか“あの先輩みたいになりたい!とか、まずは自分が夢中になれるものに出会う努力から始めてみるといいですね。みつからなければ、”見つけるためにまずはやってみよう!“でもいい。自分のキャリアは自分でクリエイトしていく、そういう意気込みをもって自分だけのストーリーを描いていってください。いろんな”好きだ“”やりたい“を持ち寄って、これからの飲食業界を一緒に盛り上げていきましょう。