「天ぷらって、なぜどこも同じなんだろう?」
それは、「味吉兆」で和食を学び、「ザ・リッツ・カールトン」で天ぷら責任者となった私にふと生じた疑問でした。同じような食材ばかりを揚げて、定番の組み合わせで食べて、そこに多少の違いはあるにせよ、「お店によって一体何が違うのだろう?」とクエスチョンマークしか浮かんできませんでした。
そして同時に、食材の選定や組み合わせをもっと創意工夫すれば、天ぷらはもっと美味しくなるのではと探求心が湧いてきたのです。
基本を徹底的に学びながらも、「他とは違う天ぷらを提供したい」という想いで、天ぷらの既成概念にとらわれない試行錯誤を重ねていきました。そうして辿り着いたのが、食材を活かすために邪魔をしない衣をつけて、天ぷらの技術を使って食材をより美味しく味わってもらうやり方です。当店の「黒毛和牛シャトーブリアンの紫蘇巻き揚げ」はそれを象徴する一品でもあります。
お客様が食べて、明らかに美味しいとわかるものを作りたい、そして天ぷら屋の概念を超える店作りをしたい、そんな熱い想いでオープンしたのが「たきや」です。超一流のお店を一緒につくっていきましょう。
代表取締役 笠本 辰明