はじめまして。新電元熊本テクノリサーチではたらくエンジニアのYです。専門学校を卒業し、新卒で入社して今に至ります。
今日は、組み込みシステムや開発についてご紹介します。
―どんな学生でしたか?
学生時代は、ゲーム好きのごく普通の学生でした。
就活中は、プログラムの技術が生かせる職業(IT系、ゲーム関係、etc…)を探していました。C言語やC++が得意でしたので、募集要項に得意の言語がないかチェックしていた気がします。
組み込み開発については、正直なにも分からなかったです。面接のときに少し話をきいたあと、調べてみて興味を持ちました。そして、不安を抱えながら飛び込んでみたら、面白さに気づいて技術の向上につながっていきました。組み込み開発を知らない方や興味を持てない方にも、少しでも参考になればうれしいです。
組み込みシステムはわたしたちの身の周りにあふれている
―そもそも、組み込みシステムってなんですか?
組み込みシステムは、私たちの日常生活を支える、見えない技術の一つです。具体的には、特定の機能を備えたハードウェアと、それを動かすソフトウェアを組み合わせたものを指します。
照明を例にすると、むかしは、スイッチの操作はONとOFFのみで、ONにすると電球がついて、OFFにすると消えるという単純なものでした。それに組み込みシステムが加えられたことにより、明るさや色味の調整ができて、タイマー機能で自動消灯されるようになりました。
このように、私たちの生活を便利で快適にしているのが、組み込みシステムなんです。洗濯機や炊飯器、冷蔵庫をはじめとする家電などの低機能なものをはじめ、携帯電話やデジタルカメラなどに搭載されていますが、小型ながらに様々な機能が実現できるのは、このおかげです。
―そんな身近なものとは知らなかったです!
そうですよね。家電から医療機器、自動車、産業機械まで、ここには書ききれないほどのあらゆる分野で取り入れられていて、もはや入っていて当たり前になってきているかもしれないです。組み込み開発の魅力のひとつはその応用範囲の広さで、開発者は多様なプロジェクトに携わることができるし、常に新しいことに挑戦できます。
ただ、現在の組み込みシステムの定義は、「専用のハードウェアに、交換不可能な専用のプログラムが組み合わさったもの」を指すそうです。メーカーが開発した新しい機器を正確に、深く理解する必要があって、それにぴったりマッチするプログラミングを構築することになるので、あてはまる範囲のものがぐっと狭まりますね。
わが社ではモビリティ分野に特化したお仕事をします
―急に話がむずかしくなったような気がしますが…今はどんなお仕事をしていますか?
わが社では主にモビリティ分野(交通関連製品)に携わっていて、私はバイクのエンジン始動とバッテリーへの充電の制御を行う製品のプロジェクトに参画しています。ほかの社員は、バイクのちがうパーツや自動車の制御機器など、それぞれ異なるものを受け持っています。
―バイクや車が好きなんですか?
私は普段運転したりしないです(笑)。弊社チームメンバーの中には、バイクが大好きで、バイクにたずさわることができる仕事内容に惹かれて、ここに入社した人もいます。自分で整備する人だと理解がしやすい面はあるかもしれないですね。
―組み込み開発をしていて、醍醐味だと思うものはありますか?
組み込み開発は、ハードウェアとソフトウェアの密接な連携が求められる分野です。
開発者は、ハードウェアの制約をふまえて、最適なソフトウェアを設計する必要があります。つまり、要求に対して技術的な障害がないかを双方の面から考えないといけないところが、組み込み開発の醍醐味だと思います。例えば、わが社の手がけるシステムでいうと、エンジンの噴射・点火システムやモーター制御など瞬時の反応が求められる場面で、その本来の力を発揮する効率的なプログラムを設計しなければなりません。さらに、バイクや自動車においては効率的なだけではなく、ユーザーの安全を確保し命を守ることが、最重要ミッションです。こういったさまざまな視点からの高い要求に応えるものを生み出す技術力は、私たち開発者にとってモチベーションを保つひとつですし、実際にうまくできたときには、とても大きな達成感をもたらします。
たしかに、むずかしい。学び続けるからこそ成長できる
―機器を正しく動かさないといけないし、プログラムにバグがあってもいけない。安全にも配慮が必要となると本当にむずかしそうで、自分にできる仕事とは思えません…
そんなに途方にくれないでください(笑)。なにも知らない学生だった私がこの仕事にたずさわれているのは、内定してから入社後3か月までおこなわれる「技術研修」のおかげです。普段教壇に立たれている先生や第一線で業務にあたられているエンジニアの方に、それまでまったく知識のなかったハードウェアのことから業務に直結する内容のものまで、ていねいにおしえていただき、仕事に必要な基礎知識を習得することができました。最近は組み込みシステムを学べる学校がとても少ないときいていますが、弊社は知識をしっかり補えるという強みがあるので、その点は安心してほしいです。今年度の新入社員も、今まさに研修の真っ只中です!
―勉強は最初だけなんですね。よかった…
技術的な研修にたくさんの時間を割くのは、たしかに最初だけかもしれません。ただ、技術の進化は止まることがなく、組み込み開発も例外ではありません。新しいプロセッサやセンサー、通信技術が次々と登場し、それに対応できる製品を開発することになるので、現場ではたらく私たちは常に、最新の技術を学び続ける必要があります。ときには、むずかしく感じることもあります。それでも、自分が子どものころに思い描いた「こんなことできたらいいな」という希望や夢が現実になっていくときは、本当にワクワクしますし、進化していく過程にたずさわれることがこの仕事のおもしろさのひとつなんだなと実感します。
―新しい技術が搭載されたバイクや車が登場するうらには、エンジニアのみなさんの日々の努力があるんですね。Yさんや会社の今後の目標はありますか?
私が組み込み開発のエンジニアとなってからはまだ5年程度で、道半ばでありますが、同じ所属の社員の中には、すでにソフトウェア設計者としてプロジェクトを牽引している者もいます。これは、いつも新しいことに興味を持って一生懸命取り組める人たちがいるからだと考えています。毎年、新入社員が仲間に加わり、組織が少しずつ大きくなっていくとともに、数年後、要求分析からソフト関連の量産対応までを、首都圏開発センターだけで担当したいという野望を抱くようになりました。それは、直接お客様から要望を伺い、製品化し量産化するということです。けっしてかんたんなことではありませんが、新電元グループの理念である「声を聞き、先を読み、価値ある未来を創る」を体現できるように、これからも努力していきたいです。
―Yさんありがとうございました!組み込み開発は、技術的な挑戦と創造性、そして社会への貢献を兼ね備えた魅力的な分野です。あなたもこの世界に飛び込んで、未来を支える技術を一緒に創り上げてみませんか。