MESSAGE メッセージ

「あんたの中華は京都では通用しません。もっと和食を勉強しなはれ」

京町家に一之船入を構えた時、祇園のお茶屋の女将さんから言われたひと言。私が料理人として初の挫折を味わい、同時に今に至る転機となった言葉でもあります。
私は横浜中華街の生まれ。11歳から包丁を握り、18歳で本格的に料理の道へ進みました。以来国内外で経験を積み、メディアにも活躍の場が広がるなか、一之船入をオープン。当時、ランチには100人近い行列ができる盛況ぶり。そんなある日、冒頭の一言を突きつけられ、そこから私の新たな挑戦が始まったのです。

京都の味、水、作法や文化にいたるまで、あらゆる学びを融合させた“京中華の味”。その実現には幾多の歳月がかかりましたが、その後かつての女将さんたちから「この料理を食べて、すごく幸せです。幸せをありがとう」と言われたときは、すべてが報われたと感じました。人目をはばからず泣いたことを、今も鮮明に覚えています。
努力は絶対に報われる。誰でもナンバーワン、オンリーワンの料理人になれると私は信じています。強い気持ちをもってこの世界に飛び込んできてください。私達も全力で育て上げていきます。

オーナーシェフ 魏 禧之

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